量販店のポイント還元率を割引率と思ってはませんか?
■ 起
正月は大阪の実家に帰っていました.そのときに感じたのは東京の秋葉原の2/3くらいの規模?の電気街である日本橋が廃れてきたということです.以前は元気だったのに.
その原因は次の3つでしょうか?
主原因の東京資本進出にともなって日本橋でも昔みたいに店員との値切り交渉がしにくくなってきました.これはBicやヨドバシなどの最終金額表示(とはいっても大量に買うときは値切れます!)とバックするポイント表示の方が小細工が必要なくわかりやすいからでしょうか?
自宅に戻る(大阪->東京の)新幹線の中で主にこれら東京資本が行うそのポイント制度について店側のメリットを考えてみました.
■ 承
まず店側のメリット4点.
- リピータの確保
- 客はポイントを使うために新たな買い物をする
- 客の情報を取る
- 住所・電話番号などを入手
- マーケティング
- 顧客購買行動分析が可能
- 上客へのDMなどに利用
- ポイントは先払いである
- ポイント未使用のまま期限切れになる場合も少なからずある
- 2年くらいをポイント使用期限にする量販店が多い
- 金利が取れる
- デフレ時代にメリット薄と思われがちだが量販店の立場だと ちりが積もっている
- ポイント未使用のまま期限切れになる場合も少なからずある
- 現金取引への誘導
- カードよりもポイント還元を大きくしている
■ 転
しかし店側のメリットはもう1点あります.ポイント還元をあたかも割引率と思わせる小細工にもなっているようです.私の知り合いにも聞いてみましたがポイントをそのまま割引率と思って計算し買い物をしたり他店と比較している人が多いようです.
以下細かいなぁと思われるでしょうが,量販店の立場では ちりがけっこう積もるはずです.というより多くの人がそう思い込んでいても知らんぷりをしているその姿勢が嫌い.
- 例えば,あなたがポイントが全くたまっていない(ゼロの)時,順に 10万円と2万円の買い物をするとします.
- 量販店でそれぞれのポイントが20%たまると表示されていたとすると
- 10万円の買い物で2万ポイントがたまる
- 2万円の買い物をためたポイントで買う
- 12万の表示のものに10万円を支払っている
- そしてポイントは使い切ってゼロになっている
- 量販店でそれぞれのポイントが20%たまると表示されていたとすると
20%ポイント還元は20%の割引ではなくこのような買い方をした場合16.666%の割引です.この算数は下記.
■ 結
ポイント率は割引率とは違う.ポイント制度は量販店のための表示であり,決して客のためのわかりやすい表示ではなく,多くの客は安易に割引率と同等に扱っている.つまり不親切な制度.次のことを注意すると良い.
- 20%のポイントは 80/100 の支払い(20%割引)ではなく,高々(ポイントをきれいに使いきったとしても)100/120 支払い(16.666%割引)と考えた方が良い
- セール品などポイントの高い商品でポイントをため,ポイントの低い商品でポイントを使用するべき
- たくさんものを買うときに買う順番を考えていますか?
- 例えばiPod や年賀状などはポイントが低いもしくはゼロなのでそこでポイントを使うべきです
- そもそも小細工で多くの人をだますポイント制度を実施する店から買わないという手もある
- 店員さんはポイントと割引が同じとは決して言わないので,だましているというのは厳密には嘘です
- 個人的にネット売買などの現金表示のみによるわかりやすい競争が好きです
以上.ポイント制度は決してわかりやすくない,そしてポイント制度を使う量販店の客中心の発想ではないその姿勢が嫌い,っということでした.