日本最低!?

残念です.


青色LEDの中村氏が裁判で大負けしました.
彼の人柄が日本的でないなど色々と意見があると思いますが,6億円ぽっちが正当な評価だとは思えません.


中村修二教授 特別講演の記録


■ 青色LED和解: 中村教授「日本の司法制度は腐ってる」

和解額の約6億円については「(裁判官は)訳の分からん額を出して『和解しろ』と言う。日本の司法制度は腐ってると思う」と憤った。

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矛先は日本社会にも向けられた。「これだけの発明をして6億円。やっぱり日本は文系社会。個人を重んじず、大企業に『滅私奉公せい』というシステムだ。実力のある理系の人は米国へ来るべきだ」。今後の活動を尋ねられると、「研究に専念できるのはうれしい。また、新しい挑戦をしたい」と述べ、“独演会”を締めくくった。


一審と比較して,99%食い違う大負けです.
会社が得た利益の評価がきっちり一桁違う。(1200億円=>120億円)
中村氏の貢献度の評価がきっちり一桁違う。(50%=>5%)
あわせ技できっちり二桁違う.(600億円=>6億円)
高裁の数合わせは大雑把すぎです.


中村氏がいなければ倒産しててもおかしくなかった日亜化学が大儲けして会社規模を10倍にし,儲けた製品の技術は中村氏の特許以外は特筆すべきものがなく,どのライバル企業でも(日亜をライバルとも思っていなかった企業を含む)つくれるものです.また20世紀中には不可能だと言われるほど注目された発明で,発明できた時点でそれを特許化/開発するリスクはゼロです.それにともなう開発や営業は経費であり,利益や貢献をほとんど生み出していません.どのようにして中村氏以外の貢献度分(中村氏19人分の貢献)を創造できたのでしょうか?
裁判とは発明以上にクリエイティブなのかも知れません.


ほんとに技術立国を目指しているんでしょうか?
せっかく技術会のイチローをつくるチャンスだったのに非常に残念です.それも実力と実績が明らかな分かりやすい例だったのに.これでは高齢化社会になっても今と同じで海外から優秀な技術者は来てくれない.それどころか優秀な日本人が海外へ流出する今よりも悪い状態になりそうです.インタネットで情報の流動性が高まったようにこれから人材の流動性がますます高まる時代に非常に残念です.


どうせなら中村氏には最後まで争ってもらって,さらに大負けして,もっと日本の裁判所の恥を世界中にさらして欲しかったです.しかし裁判で優秀な方の時間を奪うと世界的な損失でもありますね.



追記 20050121>
6億円の評価は中村氏が日亜在籍時に行った全特許に対してであり,青色LEDの基本特許に関しては2億円くらいの評価のようです.「腐っている」発言がまともに聞こえてきます.
世界中の信号機の青色を変え,BlueRayDiskを可能とし,クリスマスツリーに限らず青や白の電飾を可能とし,町やスタジアムの大型ビジョンを一気に変えた発明の対価が2億円ですか???
最初はアメリカ在住の中村氏に対して嫌がらせのために起こした裁判に,反訴されると日亜は出廷拒否をしまくり、情報公開を拒絶しまくる行動に出てどうしてボロがちの判決(正確には和解条件)がでることが正当なのでしょうか?
裁判所は政治家による人事権や経済界の圧力から独立すべきです。