条件付き生産性

ストーカーっぽいので最近はエントリで引用してもTBしなかったのですが,このエントリでは久しぶりにします.

人体に向かって「脳細胞の生産性が高いから、筋細胞の取り分を減らすべきだ」と言っているような空しさがある。


私の結論では,これを否定はしませんが,評価指標はcase by caseと程度もんであり,上記の指標は一側面を語っているに過ぎない指標ではないかと思います.例えば,脳が体重の2%の重量だからといって血の巡りを2%にされたら人間たまったもんじゃないわけです.(私の場合,企業で脳はR&Dだと置き換えています.)

脳と酸素
  人間のからだの臓器・器官のうち、最大の酸素消費者は脳。重量わずか1.4kgで体重の2%ほどであるが、その消費量は全体の25%にもおよびます。そのため、酸素不足に対しては最も敏感に反応を示し、酸欠には最も脆い器官であります。


また小飼弾さんのエントリが引用している

にしても色々反論は可能なように思えます.小飼さんが共鳴するとすればこれは生産性と消費性のエントリの意見と矛盾するかも知れないと思いました.
例えば,

  • 競争力のある仕事が近くの環境にある競争力のない仕事の賃金引上げをしなければいけなくなる理由は,程度として総求人希望者数と総労働力の相対比の影響が大きいのではないか?魅力ある仕事が全体の9割でも1割でも同じでbottom upに影響するのは,その総数の比(需要と供給の関係)であり一つのめちゃくちゃすんごい魅力のある仕事も求人数の増加が少しならばbottomに発揮する影響力は,少し求人を増やす単なる一要素に過ぎないのではないかと?
    • つまりそのすんごい仕事が得る利益の上げる消費性を評価せず,その仕事が増やした求人数(増えすぎると結果として生産性を下げることになる「生産に関わる人の数」)で評価してしまうのではないかということ.(生産性と消費性の定義は次を参照: 小飼弾,404 Blog Not Found:生産性より消費性, 20070215


また他にも色々と私の意見はあります

  • 環境という基盤がないと何もできないというのは同意.でももし,珍しくもなくどこでもほぼ同じ環境が手に入るとしたらそれは対価を受ける価値があるのか?
    • Open Sourceのように基盤が無料化していると差を生み出すのは基盤ではなくなる
    • 戦中戦後と今では,社会基盤に対する価値は大きく違う
  • これらと同等のことが,特許や著作権などの利益配分にもいえて,過度に基盤への分配を高くすることは危険だと思います.


これらの配分の指標はGame(複数プレイやの複数の指標によるRace Conditionの最適化)で収束を行おうとしており,一般には一つの最適解には落ちない.また人の指標もcaseや状況により可変で一定ではない.法律制定も似た問題があります.

確かに大企業だと他の社員という基盤のネットワーク効果(人数の二乗に比例したチャンスがある)ようにも思えますが,色んなデメリットもあります.連携する人が外の人の方が面白いし,社内だけに引きこもるわけではないから大きかろうが小さかろうが関係ないかも知れません.


私が良いと思うのは,日本企業が,この 評価指標 を暗黙のカルテルを組むことなく公開し,評価指標で自由競争し,流動性のある人材流通環境で実施すべきであるということです.勝ち組のGoogleだけではなくみんなが実施して淘汰されなければいけない.それが企業と労働者の公平な関係なのだと思います.日本の大企業もかな〜りゆっくりではありますが,少しずつ変化しているように思えます.