[book] 日本はなぜ敗れるのか by 山本七平

マイミクさんに借りた本.


私は大学での専攻は最適化数理というものでそれを選んだのはOperations Research(OR)に惹かれたからです.

太平洋戦争で日本とUSとの決定的な差は,日本はいけいけでまっしぐらな戦いをしようとしたのに対し,USは長期戦も可能な横綱相撲をしたことだと思っています.特にUSはORによって徹底的に物流や人材配置を効率化したのに対し,日本は無頓着でした.当時,USが圧倒的に物量に優れ,日本は資源がないために戦争を選択したにも関わらずです.


この本は敗因の中で地政学以外のものは全て書かれているように思えます.日本人の根本的な特性に関わるものを見定め,説いていきます.綱渡り論理で近視眼的に一縷の光明を見い出しそれに突き進んでいく精神主義.今では多くの人が戦争の敗因として共有していることを経験者としてなまなましく語ります.


そしてそれが今のビジネスでも日本は引き継いでしまっています.
孫子の兵法などの戦略が今でもビジネスの場でも良く語られます.MBA/MOTなども根本的にはそう.私の最近の興味は,このような日本人特性において典型的な人をうまく有効利用する方法,そして近視眼的な決定に落とさないためにはどうしたら良いかということです.

は日本をpositiveに書いた本ですが,今回は逆でした.ともに考えさせられました.