算数

19世紀ロシアの子供が挑戦した暗算をやってみた
に  (102+112+122+132+142)/365  を解けという問題が紹介されています。
まず最初に解かれている方法は、間違いではないが美しくない。
後で紹介されている方法はこねくり回す方法としては普通です。


でもですね、


私はそろばんのような機械的な暗算はしないのですが、数字をイメージできるというか、インド人の算数的なことは、素で当然にやります。そうできない方でも、二乗は19くらいまで覚えておくと普通に便利ですよ。これができて、組み合わせると2桁×2桁の掛け算はたいてい速くできるし。(そろばん上級者の暗算にはかないません。)


上の式、せっかく分母を365と指定されているのですから、分子だけの計算をこねくり回すのではなく、わざわざ365を分母においた出題者の意図に、最後の答えの段階でやっとつながるのではなく、

  • 102+112+122 = 132+142 = 365

に気付くべきなんです。


二乗は次のような性質をもちます。

  • (n+1)2-n2 = 2n + 1

差分は長さnの辺が2本と、1つの角のセルですね。
これは正方形の面積で考えると差分として当然なんです。


また二乗を面積と考えると、最初の問題は、3つの正方形の面積の和と、2つの正方形の面積の和が同じ大きさになる。美しいと思いませんか?ピタゴラスの定理三平方の定理)の拡張版みたいですね。三平方の定理の例として、辺の長さが3, 4, 5が直角三角形になることも思い出されたと思います。ピタゴラスの定理の証明のように考えるとこれも3次元で考えるて片方から片方への変換の証明がきれいに、、、さらに3つ(3,4,5)や5つ(10,11,12,13,14)だけでなくそれ以降も規則性を持って7,9,11つと増やしても連続自然数で上記のようなものがあり、一般的に2m+1の連続自然数をm+1個とm個の二乗の和が等しくなるものが、、、これ以上はつっこまないようにしましょう。


式でやるのもいいですが、それとパラレルでレゴブロックを並べるような図形的なイメージでやるのもいいと思います。この場合は、正方形の面積でした。家庭教師をやった頃は時間をかけてこの辺のイメージを教えることがありました。5つの正方形がパラパラ漫画のように差分を意識して移っていく姿をイメージしてもいい。積分とかも差分を意識するので同様のイメージですね。


受験数学は、目的地(解)に到達すればそれでいいのですが、アルゴリズム的なことが必要になるところに対しては、多くの道が見えて、その中で最適ルートが分かる方がベターです。計算量(オーダー)が小さいアルゴリズムはたいていシンプルで美しかったりします。


だから算数や数学はお遊びではなくて native になることが大事なのだと思っています。