私とLongtail

明日からの週末に既にあちこちで議論されている Longtail/Long Tailロングテールロングテイル)について(いまさら)書いてみようと思います.


その前に私とLongtailとの関わりについて,一般の方には分かりづらい内容を述べようと思います.


昔,仕事で通信トラフィック解析をしていた私にとって最近話題になっているLongtailという言葉は懐かしいものでした.
電話がトラフィックの主流であったときはトラフィック管理はいつも予想の範囲内で動いていたのです.お行儀の良いトラフィック.でも私が就職した頃はwebが全盛でhttpやftpトラフィックに1セッション当たりのデータ長が長いパケットが増えてきました.パケットの分布をX軸にデータ長,Y軸にパケット数で書いてみるとX軸側に長いLongtailになり,トラフィック解析屋さんやQoS(Quality of Service)管理屋さんには大きな問題となっていました.


サービス事業者にとっての一番の問題はwebが基本的に無料サービスであり昔の電話のように従量制で稼げなくなってきたことなんですが,QoS屋さんにとっての大きな問題は上述の予想できないLongtailの尻尾の部分が無視できないほど大きくなり管理できなくなったことなのでした.そこでこの分野の研究者はどのような法則でパケットが発生するのかを研究していました.するとこれらのトラフィックの中に自己相似性という性質を見出し,それを利用して管理できるかなぁという議論が主流になっていました.私はこの時点で仕事内容を変えたのですが(変えた理由の説明は後日),その後はWinnyなどのP2Pトラフィックが増えるにいたり,帯域保証のための管理はInternetの思想に刃向かわない限り手に負えなくなってきていると思います.


必要なアプローチが変化している.いま議論されているLongtail議論を読むと,まだまだtail部分が支配的にはなれていない過渡期ですがInternetサービスでも同じことが起こっていると感じました.