グーグル Google by 佐々木俊尚
第一章は良かった.梅田望夫さんの ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) よりいいかも知れない.ただ第二章からは紙面稼ぎのような既に世に議論されたことを間延びして書いているに過ぎない気がした.ということで第二章以降は斜め読みでいい気がします.
第一章の話の中で注目したのは次の内容.(★印は私の意見)
新聞は記事の内容だけでなく編集権を用いて,紙面のアレンジを行いそこにも価値があるとしてきた.ネットにおいてもそのつもりだった.グーグルニュースがそれを奪おうとしているとのこと.なぜならバナー広告はたいてい,トップページが最も高い広告料金になっている.
- ★ グーグルニュースの前にWebではPermanentLink+RSSによりそれは崩壊している.これは既に伊藤直也さんの記事: 伊藤直也,"RSSフィードはウェブ広告にとって善か悪か", NDO::Weblog, 20050123 により露出が増えるならいいことも多く,もし嫌がっても世の流れに逆らえるものではないと言及されている.
実際に最初グーグルニュースリンクを拒否していた読売新聞も結局は, 湯川鶴章, "読売新聞、足を撃つ?", ネットは新聞を殺すのかblog, 20040916 の予想にある通り,今となっては抵抗していない.
- ★いまとなってはグーグルニュースを拒否するだけでなくRSS feedをしないメディアはほとんどない.
- いまはGから新聞社に多少のお金が渡されているようです
- ★mixiニュースも同じですねきっと.しかし,力関係が変われば逆にAffiliateをもらうこともありうる.DoCoMoのi-Channelを広告として利用するならこれに当てはまる.
またGはSunと提携し,OpenOfficeが利用できるようになり,MSに対抗し,独占者となる可能性がある.
グーグルネット、グーグルベースは利用無料であり,広告ビジネスだけを狙っている.特にグーグルネットの中継アンテナは個人情報を掴めるのでいやらしい.
- ★Googleの一環とした戦略ですね
★こんな内容がほとんどですが,一通りGoogle知識を確認するにはいい本かと思います.ただ著者のもったいぶった仰々しい書き方があまり好きではなく,もっと淡々と書いたらいいのになぁと思いました.